光化学スモッグ生成の化学的メカニズム

光化学スモッグは、都市部で日差しが強い日に発生する大気汚染現象で、視界不良や呼吸器に影響を及ぼします。主な原因は、自動車排ガスや工場からの窒素酸化物(NOx)と揮発性有機化合物(VOCs)が太陽からの紫外線と反応することです。

紫外線により二酸化窒素(NO₂)が光分解し、酸素原子(O)を生み出します。このO原子は酸素分子(O₂)と結合してオゾン(O₃)を生成します。通常、生成されたO₃は一酸化窒素(NO)と反応して消費されるため、O₃濃度は大きく上昇しません。

しかし、VOCsが存在すると、光化学反応によりOHラジカルなどの活性種が生じます。これらの活性種がNOを二酸化窒素(NO₂)へと酸化する別の経路を促進するため、O₃がNOによって消費される機会が減少し、大気中に高濃度で蓄積してしまうのです。

大気中の微量成分と太陽エネルギーが複雑なラジカル連鎖反応を通じて有害なO₃を生成する光化学スモッグは、環境化学の重要な課題です。